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クローズアップ 「散骨クルーズ」合同・委託散骨乗船レポート

8月、夏の日差しが照りつける暑さの中、東京・新木場にあるマリーナから出発する「散骨クルーズ」(株式会社清蓮)の合同散骨・代理(委託)散骨に乗船しました。現在年間の施行件数が最も多いといわれている散骨業者への取材とあって、どのような内容なのか期待して伺ったのですが、良い意味で期待を裏切られた取材となりました。

紺のポロシャツにベージュのパンツのユニフォーム

当日はご遺族2組の合同散骨、2柱の代理(委託)散骨を東京・新木場にあるマリーナを出発してディズニーランド沖でおこないました。通常今回の乗船人数の場合、スタッフが2名という散組6名をケアするには十分な人数です。マリーナでは全員揃いのユニフォームで出迎えてくれます。使用する船は最大40名まで乗船可能な大型クルーザーです。

散骨ポイントに向かう間に故人へのメッセージを

船が出発して散骨ポイントまで向かいます。船の速度はゆっくりとしています。前回取材させていただいた散骨業者の船もそうでしたが、業者によってこれ程違うのかと思うほど船の速度が異なります。なかなか文章では伝わりにくいですが、散骨クルーズの船内は、隣に座っている人と普通に話ができる程度のエンジン音で、揺れもそれほどありません。散骨ポイントに向かうあいだに、各遺族が故人に向けて遺骨が入った袋にメッセージを書きます。メッセージが書きやすいように遺骨が入った袋が薄く平らになっていることに心づかいを感じます。また遺骨が桐箱に納められているところにも丁寧な印象を受けました。

花のかたちをした花びらに驚き

写真の花かごについて。外見では全く分かりませんが実は花びらだけでつくられています。通常献花に使われる花は花の根本から切り取った花の部分をかごに詰めたり、花びらを集めてかごに詰めたりします。花の部分だけでは海の上で花びらが広がりにくく、逆に花びらだけ集めたものでは、見た目があまりきれいではありません。かごの中では花のかたちをしていて、海に放つ時に1枚1枚の花弁に変わる姿がとてもきれいでした。恐らく崩れないように花かごに納めることは難しいことだと思います。見えない部分で時間と手間をかけていることが分かりました。

代行(委託)散骨、合同散骨はシンプルに

船の速度が遅くなります。散骨クルーズでは海や船の状況に合わせて代行散骨をゆっくりと進む船上で実施します。この日は若干風が強く、海上で停泊していると長時間揺れることになり、遺族が船酔いを起こしやすくなるのでこのような方法を取っているそうです。

2組の遺族が順番に散骨をおこないます。1組目は奥様、娘様、お孫様の3名でご主人の散骨で乗船されたそうです。ご主人の実家が新潟の柏崎ということで遺骨の一部をミニ骨壺に納めて、気持ちの整理がついたら柏崎の海に還すとおっしゃっていました。散骨クルーズには供養品だけでなく位牌の手配までお願いしたようで、すべて対応していただいてとても良かったとおっしゃっていました。
業者はインターネットで調べて決められたそうです(当サイトもご覧いただいておりました)。2組目は散骨クルーズでの散骨が2回目というご家族でした。1回目は施主様のお姉様で、今回はお母様の散骨。1回目の対応が良かったのでまたお願いしたと話してくださいました。

散骨はいたってシンプルで、式次第もなく自然体のお別れでした。形式に縛られないこのスタイルが合う方も多いと思います。

気遣いとおもてなしの心を持って

散骨が終わると船室からスタッフが皆さんに紙おしぼりを配ります。紙おしぼりはよく船内に置いてあったりするのですが、散骨、献花、献酒を終えた段階で紙おしぼりを配っていたのは新鮮な光景でした。くださいといわれて用意するのではなく、必要だろうと相手を気遣ったサービスは素晴らしいと思います。また港に帰るまでのあいだ、若い男性スタッフが真剣に遺族と話をして、喜んでもらいたいという姿勢に好感が持てました。


散骨・海洋葬同乗体験レポートは今回で5回目になりました。業界内でも注目を浴びている散骨クルーズの行なう海洋葬は、シンプルでありながら見えない部分の心遣いを感じるものでした。何か特別なことをするのではなく、遺族に心地よい時間を過ごして欲しいという気持ちを大切に、今後も創意工夫を続けてもらいたいです。

ご協力いただいた散骨施行業者

散骨クルーズ
「思い通り」に「こだわりの散骨」が出来る海洋散骨の専門会社です。かけがえのない家族だけの最後のお別れのひと時を、心を込めてお手伝い致します。
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