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クローズアップ エンディング産業展2015レポート

東京ビッグサイトで開催された葬儀・埋葬・供養など終活に関する設備・機器・サービス専門展「エンディング産業展2015」に行ってきました。開催期間中はテレビの取材なども入り、葬儀や供養、終活について多くの情報が集まった、まさに葬儀関連業界全体が注目したイベントでした。今回は散骨・海洋葬関連の事業者、団体の出展ブースを中心に、注目したブースの取材レポートをご紹介します。

海洋散骨の全国組織が出展、ルールブックを配布

全国22の海洋散骨事業者(2015年12月現在)が集まった組織、一般社団法人日本海洋散骨協会のブースに訪問しました。開催期間中は2~3名程度説明員として全国各地から会員である散骨会社のスタッフが会場に集まりました。ブースでは協会が推奨する「海洋散骨ルールBOOK」と全国各事業者の案内パンフレットがテーブルいっぱいに並べられています。全国各地の散骨会社の情報が集まったこちらのブースは、散骨・海洋葬を検討されている来場者にとって一度に多くの情報を得ることができる貴重な場所だったと思います。

会場では海洋散骨の基礎知識や母なる海へ還ることの選択について、協会の代表理事・村田ますみさんの講演もありました。ここ数年にわたる散骨・海洋葬の人気の高さがうかがえます。

海洋葬と宇宙葬、そして由緒あるヨーロッパの墓地への納骨

銀河ステージ(東京・大阪)のブースではスペースメモリアル(宇宙葬)、オーシャンメモリアル(海洋散骨)、レジェンドメモリアル(オーストリアのウイーン中央霊園への納骨)という3つのサービスを柱に、動画を使って分かりやすく説明していました。開催期間中はテレビを含む多くのメディアから取材を受け、注目されていました。スペースメモリアルは契約者数30名を超え、海洋散骨は全国の海に対応するなど、多様なニーズに応えられるよう、銀河ステージはサービスの拡充を継続しておこなっているようです。

すべてを散骨しないで、故人の遺骨をいつもそばに

レイセキ(大阪)は遺骨加工品「麗石」「クリスタルアッシュ」を使った手元供養品の展示以外に、家族葬や直葬と手元供養と海洋散骨一緒に行なう「消骨供養パッケージ」を推奨していました。家族葬・直葬を行なう段階から、葬儀社と連携して海洋散骨までをコーディネートできれば、利用者にとって安心して任せることができる良いサービスになると思います。

海洋散骨だけではない、遺骨の専門家が取扱うさまざまな供養

遺骨の専門家という呼び方が最もふさわしい事業者、パイル21。こちらの会社が運営する遺骨サポート事業「サライ」と海洋葬サポート事業「琉球海葬」の事業紹介をメインに、墓じまい、樹木葬、手元供養品、骨壺、宇宙葬などとても幅広く紹介していました。実績データをもとにお墓や遺骨について詳しく説明している展示パネルには説得力があり、散骨・海洋葬は遺骨にまつわる事業の一部分であることが伺えます。また遺骨の輸送のために貨物自動車運送事業(営業ナンバー)を取得していることにも遺骨の専門会社としての自覚と自信を感じました。

葬儀・終活関連事業者が多数出展、流通大手イオンのグループ会社も

会場内には実にさまざまな商品、サービスが紹介されていました。その中で注目したものをご紹介します。まず気になったのが「素敵な棺」という商品名でラッピングの棺を紹介していたB-SKY。故人や遺族の好みに合わせた完全オーダーメイドも可能で、ラッピングに使用するステッカーも環境素材を使用していて安全です。またオレンジ色の大きなバルーンが目を引くバルーン宇宙葬の会。施行件数も順調に伸びているようです。

終活情報を掲載している雑誌「終活Cafe」を出版している日本メモリアル通信。首都圏全域の書店、コンビニエンスストアなどで販売しています。コンビニで終活の情報誌が購入できるようになったことに時代の移り変わりを感じます。日本メモリアス通信の原山社長は今後の販売部数拡大に手ごたえを感じているようでした。またショッピングモールでおなじみのイオンのグループ会社、イオンライフのブースでは終活、葬儀、納骨、供養からペット葬儀まで幅広く紹介していました。大手流通企業グループの参入で消費者の葬儀や供養に対する考え方も変わっていくのではないでしょうか。


会場全体を巡ってみて、お墓についていろいろな考え方が認められてきていること、そして海洋散骨をはじめ樹木葬、宇宙葬などお墓を持たない選択をする方が増えてきていること、核家族化で縮小傾向の葬儀において、棺や骨壺、エンディングドレスなど高額な商品やサービスが注目されていることを実感しました。

直葬や散骨・海洋葬が選ばれる理由のひとつに経済的理由がありますが、その他の理由でお墓以外の供養を選択される方もいらっしゃいます。今後は供養の簡素化、形骸化につながりかねない価格の競争ではなく、遺族にとってどれだけ価値のあるサービスが提供できるか。そこに傾注している事業者が最後に利用者の心をつかむことができるのだと思いました。

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