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散骨業者取材記うみと大地の自然葬

長崎市伊王島沖でのチャーター散骨体験乗船取材のあと、うみと大地の自然葬長崎本店で西社長にインタビューしました。うみと大地の自然葬は長崎と福岡に店舗があり、海洋散骨を中心に墓じまいや墓参り代行など「お墓」と「供養」にまつわる仕事をおこなっています。今回は西社長に海洋散骨の仕事をはじめたきっかけや、海洋散骨へのこだわりなどを聞かせていただきました。

※長崎本店は2016年7月より移転先の新店舗で営業を開始しています。写真では新店舗を紹介しています。

Q:散骨・海洋葬を始めたきっかけは?

今から9年前(2006年ごろ)祖父の散骨を自分たちの手でおこなった経験から、同じような境遇で散骨・海洋葬を望む方々にも無事に散骨ができるようにしてあげたい、と思ったのがきっかけです。祖父の墓がある場所は自分たちの住まいから遠くにあり、お墓参りに行くということが家族にとって「供養」でもあるが「義務」にもなってしまうのではないかと悩み、また漁師だった祖父を「海で供養してあげたい。」「後悔しない送り方をしたい。」という思いもあり、親族間で議論を重ねた末に散骨することを決めました。


その当時、私たちは散骨・海洋葬を行っている業者を見つけることができず、自分たちの手で散骨することを決めたのですが、海洋散骨をどのように行なえばよいのか、法律に違反はしないのか、まったく分かりませんでした。しかし私たち家族は「供養は堂々とおこなうもの、隠れておこなうものではない。」と思っていたので、運輸局や海上保安庁などの関連する公官庁・役所に何度も通って事前の相談と確認を入念に行ないました。その甲斐があって祖父の散骨を五島の海で堂々と行なうことができました。


散骨をする時、私は手にした祖父の遺骨をなかなか海に向けて手放すことができませんでした。遺骨は最大の遺品だと思っていたからです。それでも意を決して祖父の遺骨を海に手放して海へ溶けていく遺骨を見た時には、すべてが救われて言葉にできない満足感に包まれました。この感覚を私たちと同じ境遇にいる人たちにも提供したい、同じことをさせてあげたいと思い、散骨事業者としてのスタートに向けて、あらためて公官庁・役所との協議、手続きをおこない、営業を開始しました。

Q:散骨で心がけていることは?

散骨・海洋葬以前の話になってしまうのですが、本当にご遺族が納得する供養かどうかをまず確認させていただくことから心がけています。パンフレットを見ていただくとお分かりの通り、当社は海洋散骨だけでなく、もともとお墓や納骨堂などの取扱いもしているので、自宅供養の方法なども含めご遺族にとっての選択肢をできるだけ多く用意して、ご希望にはできる限りの対応をしています。またご遺族からの相談に対して、こちら側から「こうしないといけない。」ということは言わないよう、ご遺族が納得して決められうように努めています。


もう1点心がけているのが船酔いの予防策です。航行の安全は基本となりますが、船酔い防止については乗船直前の食事を控える、酔い止め薬を飲んでいただくなどの他に、光のチラつきを抑えるサングラスの着用、氷やトウガラシを口に含むなど、漁師が昔からおこなっている方法で船酔いが起きないよう心がけています。

Q:今まで実施した散骨のなかで印象に残っていることは?

葬儀は直葬でおこない、その後忌明け(四十九日後)に散骨・海洋葬をおこなったご家族がらっしゃいました。直葬から海洋散骨をおこなうご遺族は少なくないのですが、このご家族は忌明けから旅好きだった故人のお気に入りの旅行コース、島原半島を縦断して天草までをご遺族15名でめぐって、その旅の最後に散骨をおこなったのです。葬儀は簡素におこなったとしても、故人との別れはどんなに費用と時間がかかっても自分たちが納得する方法でおこなう。これぞ本当の供養なのだと思いました。

Q:うみと大地の自然葬の特長を教えてください。

ご自身の手から故人の遺骨を海へ放す瞬間、この瞬間を最も大切にしているということが最大にして唯一の特長です。お墓や納骨堂が遺骨を1つの場所に留めてご遺族の心の支えとするのに対して、海洋散骨は故人の最大の遺品である遺骨を海へ手放し、魂の解放をおこなうものです。大切なご遺骨を失うことには痛みを伴いますが、散骨したその瞬間にすべてが救われ、心から納得して故人を見送ることができるのです。その大切な瞬間と海に溶けていくご遺骨を見送る時間は2度と来るものではありません。


白砂を使って潮の流れを確認したり、船の位置を調整したりするのも、すべてご遺族が遺骨を海へ放つその瞬間からお別れの時間に最高の環境を提供するためです。従って私たちは散骨後のお別れの時間に制限を設けていません。気持ちに整理がつくまでずっとお待ちしています。また散骨の瞬間を記録するために写真をかなり枚数多く撮影しています。このようにご遺族の要望に応えた「水葬の儀」を行ないますので、同じ散骨は2度とできないのです。

Q:最後に散骨・海洋葬を検討されている方へメッセージをお願いします。

故人様の御供養について、その方法でご遺族が本当に納得できるのか、他の方法はないのか。ぜひご自身が納得できる業者を選んでいただきたいです。サービスによって価格も内容もさまざまです。お金をかけてもご自身が納得できない供養では意味がありません。うみと大地の自然葬では海洋散骨以外の選択肢も多くご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。やり直しのきかない大切な瞬間を最高の環境でご提供いたします。

インタビュー後記

体験散骨の直後のインタビューでしたので、西社長の思いが実感としてとても良く伝わってくる内容でした。散骨・海洋葬にはいろいろな方法があり、ご遺族にとって「良かった。」と思えるよう各散骨会社が試行錯誤しています。そのなかでもうみと大地の自然葬は理解ある周辺環境を作り、地元の海の美しさを活かして、その場所でしかできない最高の散骨がおこなえる環境をお客様に提供している散骨会社でした。

プロフィール

うみと大地の自然葬(Nプラン株式会社)
西 大悟(にし だいご)
1973年長崎県生まれ
2005年にお墓、納骨堂などを取り扱う墓守代行センター(現:Nプラン)を創業、海洋散骨事業の開始とともに法人化、株式会社となる。全国でも数少ない公官庁および役所との事前協議、届出をおこなって営業している散骨業者。
一般社団法人日本海洋散骨協会理事。

【基本情報】
本社:〒852-8134 長崎県長崎市大橋町23-10-1F
福岡営業所:〒815-0041 福岡県福岡市南区野間1-8-14-1F

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